幻聴が聞こえたら

『「正体不明の声」ハンドブック』について

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2006年10月2日
2009年2月11日 修正




 今回は、『「正体不明の声」ハンドブック -治療のための10のエッセンス-』を取り上げます。同書は、精神科の先生である原田誠一氏による論文の要約版であり、幻聴をテーマとした小冊子です。なお、同書はインターネット上で公開されており、アルタ出版株式会社のウェブサイトから入手することができます。自らの心身の状態を改善させるため、ぜひ読まれる事をお勧めします。それでは、本書の内容の一部について見ていきます。

「正体不明の声」が生じる原因について


 同書においては、幻聴が生じる主な原因として、不安、孤立、過労、不眠、の四つの状態があげられています。この四つの状態が、重なったり継続した場合に、「幻聴」という現象がしばしばみられるのだそうです。なお、この幻聴の原因については、「先祖供養と心の病について」で取りあげさせていただきました『精神病は病気ではない』(ハート出版)における「精神病になる主な原因」と比較することにより、精神病になる原因と、内容が重複していることがわかります。

「幻聴・妄想」の治療について

幻聴・妄想治療の四つの柱
①日常生活のすごし方に注意を払う
②精神科の専門家との相談を継続する
③当面、精神安定剤を服用する
④幻聴の受けとめ方を工夫する
(『「正体不明の声」ハンドブック』16頁)


 ①の「日常生活のすごし方に注意を払う」とは、ストレスを貯め込まないように気分転換をし、家族や友人とのコミュニケーションを大事にし、働きすぎることなく、睡眠時間をしっかりと取る、という事です。その様な生活をする事が、良好な状態につながっていくのだそうです。その様な事は、基本的なことのようであり、案外、疎かになりがなのではないでしょうか。しかし、日常生活を改め、健康的な生活に移行することが、心身における状態の改善につながっていく事は間違いのないところである様に感じられます。

「幻聴」への態度について

役に立つ対処法あれこれ
・頭の働きをちょっと止めてみる ・家族や友人と雑談する ・カラオケを歌う、ハミングする ・体操や水泳を楽しむ ・入浴やシャワー ・テレビを見る、ラジオを聴く ・耳栓やヘッドホンを使う ・お気に入りの服や靴を身につける ・「静かにしてね」とお願いする ・頓服薬を飲んで一休みする ・好きな音楽を聴く、演奏する ・散歩、ジョギング、サイクリング ・掃除や庭仕事をする ・飲食、喫煙、ガムをかむ ・読書をする、日記をつける ・のどを手で押さえてみる ・姿勢をしゃんとする ・初恋の人を思い出す など
(同23頁)


 ここでは、「幻聴」への具体的な対処方法が記されています。読書、体操、カラオケ、散歩など、多くの行為は手軽に行うことができます。また、喫煙は、基本的に体に悪い行為であると認識されていますが、禁煙することが喫煙者にとってストレスになることを考慮した場合、「幻聴」への対処法としての喫煙は正しい行為であるということがわかります。最後に、同書の著者である原田氏は『幻覚妄想体験の治療ガイド』という本も執筆されています。それでは、今回は以上の内容になります。